お知らせ

13/03/05
第4回 音楽事務所

音楽事務所の事業形態を考えてみたい。

音楽事務所の一番の売りは、代表者の作曲や作詞の才能だ。彼が生み出す新曲や、詩は多くの歌手の手に渡り、多くの視聴者から支持されるだろう。
ただ、それだけなら、音楽事務所にする必要は無い。個人でアーティストとして、先生なり大御所なりとして尊敬を集め、収入を得ていれば安泰である。
もし、自らが生み出した作品を産業にしようと考えるならば、音楽事務所がふさわしい。
その音楽事務所には、いくつものセクションとスタッフが必要だ。
まず、作品を次々と生み出す当の代表者は当然ながら必要不可欠の人材だ。
これに
① 良い作品を創り続ける仕組みと仕掛けを考え・管理するセクション
② 作品を売り出し・価値を認めてもらう営業・プロモーションのセクション
③ 作品のアレンジや、新しい企画を考え出す開発セクション
④ そういった仕事をこなせる有能な人材や、機器を探し出し、引き込むセクション
⑤ 資金管理や、マネージメントをする総務セクション
更にこの音楽事務所の最大のリスクは、作品を生む代表の健康や、気力である。
もし代表の才能が枯渇したら、音楽事務所は立ちいかない。
従ってリスク対策として、新しい才能を見つけ育成することも重要だ。
逆に長年作品を供給しておれば、過去の蓄積から入ってくる収入は結構なモノになっているに相違ない。
こう考えると、音楽事務所は特異な形態のように見えるが、実は普遍的な企業と組織としてなんら変わらないことが分かる。

我社、中央砕石も長年業績に貢献してきた商品である砕石や砕砂といった生コン向け骨材については、今後も様々な角度から価値を高め、プロモーションを重ねる必要がある。
ただそれに加え、骨材を生かした新しい価値を創造する仕組みや、仕掛けを持つことが重要である。
そういった、価値を高め、また新しい価値を創造する取り組みを怠り、既存の商品だけに頼っていたのでは、才能の枯渇と一緒である。
音楽事務所の場合の最大のリスクである「代表の才能にだけ頼る」と同じように、骨材という一枚看板だけにいつまでも依存することのリスクを認識し、その後継候補を早く、たくさん見つけることも重要である。
音楽事務所で考えると、商品がシンプルで、組織も明解なので、事業を見直す際、考え易いと思う。
自分が今組織の中でどのような立ち位置にいるのか、迷った時は音楽事務所で考えると良い。
一体自分は、この組織の中のどの部分を担っているのか、自分は何が得意なのか、よくよく自分を見つめなおし、理解し、その上で必要なスキルの向上をはかる、又苦手な部分を補完してもらえる人材を引き付ける為の魅力を身につける、といった努力を重ねていかなければならない。

今回音楽事務所をイメージにしたが、私は音楽事務所を知っている訳ではない。実際とは異なっているかもしれないので、その節はご容赦下さい。

アーカイブ